2021.08.23

言葉の持つ力について

夏はスポーツ観戦の季節でもあります。
昨年はコロナの影響で開催が中止された全国高校野球選手権大会(いわゆる夏の甲子園)も今年は大会関係者のみの観覧とはなったものの、無事開催の運びとなりました。
部活動は高校3年間、甲子園でプレイ出来る日を夢見て球児たちは日々厳しい練習に弱音も吐かず黙々と取り組んできました。
真っ黒に日焼けして、憧れの甲子園球場で生き生きと走り回る彼らの姿は本当に力強く、心からエールを贈りたくなります。

さて、この大会がこれまで取り止めになった事が過去3回ありました。
1回目は1918年の「米騒動」、2回目は1941年の「太平洋戦争」、そして3回目が昨年2020年の「新型コロナウイルス感染拡大」です。

昨年から今年にかけて、毎年当たり前のように開催されていた大切なイベントが中止を余儀なくされて行きました。
それでも主催者は来年こそはと気持ちを立て直してまた準備を進めている事でしょう。
度重なる緊急事態宣言、まん延防止等重点措置に国民の意識も薄れがちになってきている今日この頃、何が一番大切で優先すべきことなのか、もう一度考えるべきなのかもしれませんね。

さて、披露宴での祝福の言葉は、聞いているだけでも幸せな気持ちになれるものです。
それは言葉の持つ力によるものかもしれません。
今回は言葉の力にスポットを当ててみたいと思います。

「言祝ぐ(ことほぐ)」という言葉には、祝福を述べるという素晴らしい意味があります。
この「言祝ぐ」は、日本の言霊(ことだま)思想が反映された言葉です。
言霊とは、言葉に宿っている霊的な力のことをいいます。
日本では古くから、声に出した言葉が現実に何らかの影響を与えると信じられてきました。
良い言葉やおめでたい言葉を発すると本当に良いことが起こり、悪い言葉を発すると良くないことが起こるという考えです。
現代の日本にも言霊信仰は強く残っています。

例えば、披露宴のようなお祝いの席では、縁起の悪い忌み言葉は避けたほうが良いとされています。
ここでいくつか忌み言葉をご紹介しましょう。『別れる』『切れる』『離れる』『壊れる』『破れる』『再び』『重ね重ね』などがあります。
ゲストスピーチの中にこのような忌み言葉が出てくることもありますが、プロ司会者はおめでたい席だからこそ気をつけて言葉を選んでいるのです。


(司会者S)