【番外編】春の数えかた

東京近郊のサクラの花が満開になり、思いきり春を感じる季節になりました。
ふと考えると、どうしてサクラは一斉に咲くのでしょうか?
そんな疑問に動物行動学者の日高敏隆(1930~2009)さんのエッセイ本、
「春の数えかた」が答えてくれます。
「季節がめぐってくると、その時々の花が咲き、チョウが舞い、鳥が歌う。
当たり前のことにも思うけれど、人はそこに大自然の力、自然のふしぎを感じないではいられない。
特に寒い冬が次第に遠のいていってついに春が来たときはなおさらである。
なぜ自然はこんなにうまくめぐっているのだろうか?
生物学者にとっては当然興味をそそられる問題だ。
今年は寒かったからサクラの開花はおくれたが、暖かい年には普段より早く花が咲く。
だから寒い、暖かいが開花の時期を決めているのは確かである。
けれどサクラは、冬の間からつぼみが膨らんでくる。
その時期にはまだ寒いから、つぼみのふくらみは暖かさによるものではない。
そもそも暖かくなってからつぼみをふくらませ始めたのでは間に合わない。
じつはサクラが花の芽を作るのは、前年の夏である。このときにもう、来年の花がつくられはじめているのである。
サクラの花は暑い夏に作られて、寒いときにふくらみ、暖かくなって開くのだ。その丹念な用意周到さ!
いずれにしろ、植物はちゃんと季節を知っている。
そして1年の決まった時期に花を咲かすよう、厳密なタイムスケジュールが組み込まれている。」
と書かれています。
「春の数えかた」とても素敵な題名での本です。
内容も植物や小さな生き物の興味深い話を動物行動学者の日高さんが
やさしく語ってくれる本です。好きな本の一冊です。
(N)
ふと考えると、どうしてサクラは一斉に咲くのでしょうか?
そんな疑問に動物行動学者の日高敏隆(1930~2009)さんのエッセイ本、
「春の数えかた」が答えてくれます。
「季節がめぐってくると、その時々の花が咲き、チョウが舞い、鳥が歌う。
当たり前のことにも思うけれど、人はそこに大自然の力、自然のふしぎを感じないではいられない。
特に寒い冬が次第に遠のいていってついに春が来たときはなおさらである。
なぜ自然はこんなにうまくめぐっているのだろうか?
生物学者にとっては当然興味をそそられる問題だ。
今年は寒かったからサクラの開花はおくれたが、暖かい年には普段より早く花が咲く。
だから寒い、暖かいが開花の時期を決めているのは確かである。
けれどサクラは、冬の間からつぼみが膨らんでくる。
その時期にはまだ寒いから、つぼみのふくらみは暖かさによるものではない。
そもそも暖かくなってからつぼみをふくらませ始めたのでは間に合わない。
じつはサクラが花の芽を作るのは、前年の夏である。このときにもう、来年の花がつくられはじめているのである。
サクラの花は暑い夏に作られて、寒いときにふくらみ、暖かくなって開くのだ。その丹念な用意周到さ!
いずれにしろ、植物はちゃんと季節を知っている。
そして1年の決まった時期に花を咲かすよう、厳密なタイムスケジュールが組み込まれている。」
と書かれています。
「春の数えかた」とても素敵な題名での本です。
内容も植物や小さな生き物の興味深い話を動物行動学者の日高さんが
やさしく語ってくれる本です。好きな本の一冊です。
(N)