調べてみましたシリーズ①~「ナッジ(Nudge)」編

「ナッジ」という言葉をご存じでしょうか。
芸人バナナマンさんが出演する住友生命VitalityのCMでそんなワードをお聞きになった方もいるのではないでしょうか。
ナッジについて少し学んでみました。
元来英語で「ひじでつつく」を意味し、ノーベル経済学賞を受賞したセイラー教授らに「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えずに、自発的な意思決定を促す視覚的な工夫やメッセージ」(※一部言い回しを変更しています)と再定義され、行動科学のアイディアとして用いられはじめたようです。

ナッジ自体は、すでに日常に溢れています。
たとえばインターネットで会員登録をするとき「メルマガの配信を希望します」のチェックボックスがあらかじめチェックされたままになっていて、
よほど不要でなければそのままにします。
これがもし、チェックボックスを自ら入れなければいけない場合、
「どちらでもよい」程度であれば、わざわざチェックをつけませんよね。
あるいは、もし自分がどうしてもワクチンを受けたくない人だとしたら、国民の7割が接種済みと言われるより、
「あなたの母校の卒業生7割が接種済」と言われるほうが受けなきゃと思うかもしれません。
これもナッジです。

経済学では、人は合理的に判断し、無料で自分にとってよい何か(たとえばワクチンや価値の高い情報)をもらえたり、金銭をもらえたりするのであれば、
取るに足らない手間は惜しまないはず…といった考えが前提となりますが、
実際は「面倒」「不信感」といったなんとなくの感情がネックとなって、良い選択や行動を取れません。
それに対して、ナッジは、あまりお金をかけずに、誰も傷つけず、良い行いを取らせることを可能にさせるため、福祉政策と相性がよく、
イギリスを発端として日本の行政、あるいは民間企業のマーケターも注目しているアイディアのようです。

日常や街中で「これもナッジかな?」と探してみると面白いかもしれません。