子育て感謝状

6月に入り、紫陽花の花が美しい季節となりました。
何となく蒸し暑い日が続いているのは梅雨入りも近いからでしょうか。

東京都の新型コロナウイルス感染者数は激減しているわけではありませんが、このところスポーツイベントも復活してきて休日となると競技場や野球場、体育館など多くの人が訪れるようになりましたね。

昨日担当した披露宴会場では、今まで4名以上の席に設置していたアクリルパネルが無い状態での開催でした。
長い間あるのが当たり前だったものが無い事に少し戸惑いましたが、ゲストの皆さんもきちんとマスクの着用を心がけて下さり、会話も弾んで、テーブルでの写真撮影等もスムーズに行われていました。

それでもご両家の親御様は万が一を考慮し、お酌を控えてマスクを着けたままご挨拶に廻られていましたが、ご友人やご親戚の方々はとても楽しそうに過ごしていらっしゃいました。

ところで、先日担当した披露宴で親御様への記念品が「子育て感謝状」でした。
親御様にとって、自分達の元に生まれ、大切に育ててきたお子さんがやがて成長して新しい家庭を持つまでの時間は、振り返れば一瞬かもしれませんがいろいろな思い出と共にずっと心に刻まれるかけがえのない時間です。
新郎新婦が、親後様の目の前で、感謝状を読み上げてお渡しするのですが、親後様も心なしかとても誇らしげな表情に見えました。

言葉と共に感謝状という形で表す親御様への感謝も素敵な贈り物ですね。


(司会者S)

最近のご披露宴

4人以上のテーブルにはまだパネルがあります<br>

4人以上のテーブルにはまだパネルがあります

風薫る5月。
だんだん薄着の季節になって来ましたが相変わらずマスクをして生活する毎日が続いています。
これから気温も高くなってきますので熱中症が心配ですよね。
屋外では適度な距離を保てばマスクは不要という意見もありますので、自分なりの対策をした上で快適に過ごしたいものです。

さて、延期していた披露宴もこのところは順調に開催されています。
引き続き感染対策をとりながら、という状況ではありますが、コロナ前のように余興があったり、親後様がゲストにお酌をしたりと少しずつ以前のような光景もみられるようになってきました。

前回は花嫁衣裳の中でも格式の高い「白無垢」についてご紹介しました。
そもそも「打掛」という衣装は文字通り「うちかける」もので、帯を締めないためそのままにしていると前がはだけてしまいます。
ですから花嫁さんが歩く時は打掛を自分の手で押さえなければなりませんが、実際に打掛はかなりの重量があり、殆どの花嫁さんは筋肉痛になるくらい苦労して過ごしています。
白無垢よりも豪華に刺繡を施しているような色打掛は更に重さも厚みもあって、まるでお布団のようです。

それでも一生に一度の大切な日、幸せの重みをひしひしと感じなが祝福を受ける結婚式は特別な一日なのですね。


(司会者S)

花嫁衣裳

つつじ?さつき?<br>

つつじ?さつき?

ゴールデンウイーク真っ最中ですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。
コロナ禍となって3回目のゴールデンウイークですが、宣言も解除されている事もあって人の動きも活発になりそうです。
ただ、やはり全国的にも感染者数が大幅に減少しているわけではありませんので常に自分なりの対策を行う事、そして行先についてもきちんとした対策がとられている事を確認するという行動が大切になりますね。

さて、結婚式は神前式、教会式、人前式などがありますが、婚礼衣装も様々です。

神前式でウェディングドレスを着る方もいればチャペル式で白無垢を着る方もいます。
一時期「和婚」がブームになった事もありますが、伝統的な花嫁衣裳といえば「白無垢」「色打掛」「引き振袖」ですね。

日本の結婚式は紋付袴姿の新郎と白無垢姿の新婦をイメージされる方も多いと思います。
婚礼衣装としての白無垢は室町時代から始まったと言われています。
当時武家の娘さんが嫁ぐ際に最も格式の高い衣装として仕立てられました。
「白無垢」は文字通り白い打掛で意味合いとしては「これから嫁ぐ家の家風に染まる」という事です。

そして花嫁の髪型は「文金高島田」という伝統の日本髪です。
髷の根元を高く結い上げる独特の髪型で花嫁にのみ許された結い方です。
神前式では綿帽子や角隠しで神様の前で夫婦の誓いを行い、その後綿帽子や角隠しをとってゲストの皆さんと楽しく披露宴に臨みます。

令和の時代となった現在でも奥ゆかしい花嫁姿は美しい伝統の結婚式として多くの皆さんの心にとどまることでしょう。


(司会者S)

鏡開き

美味しそうでとってもかわいいマシュマロ電報<br>

美味しそうでとってもかわいいマシュマロ電報

4月も半ばを迎えました。
まるで夏のような汗ばむ日が続いたかと思えば、一変冷たい雨の日があったりと季節の変わり目というのは体調も崩しやすくなります。
国内の新型コロナウイルスの感染状況は2年を過ぎてもまだ収束とは言えず、若い年代の感染が増えている現状でもあります。
ゴールデンウイークも控えており、今後どのような状態になっていくかが心配ですが、引き続き感染対策をしっかり行って過ごして行きたいものですね。

さて、ご披露宴での演出の一つとして、「鏡開き」があります。
日本酒の菰樽を新郎新婦が木槌で開く、というものですので、殆ど和装の時の演出となりますね。

「鏡開き」とは元来、新年の仕事・行事初めの儀式の一つです。
「鏡」は円満を、「開く」は末広がりを意味します。
昔、武家では正月に鏡餅を供え、11日にこれらを割って食べるという習慣があり、これを「鏡開き」と呼んでいました。
「鏡割り」ではなく「鏡開き」なのは、「割る」という言葉が切腹などをイメージするため忌み言葉とされていたからです。

酒樽の蓋を開く神事も「鏡開き」と呼びます。
酒屋では、酒樽の上蓋のことを鏡と呼んでいたからだそうです。

実際に結婚披露宴で行われる鏡開きの樽の蓋は固く閉じられていますので、木槌の重みを利用する事で綺麗に開くようになっているのですが、事前のリハーサルが出来ない事もあり、どうしても力加減が上手くいかず開かない、なんていう事もままあります。
ただ、1回で開かないからと言って何度も木槌を下ろすのは縁起の良い事ではありません。
目出度く1回で鏡を開き、新郎新婦の運も、未来も明るく開くという事につながっていきます。

和装での演出としては人気ですが、洋装でも鏡開きをしたいという新郎新婦のために、洋風の鏡開きという演出もあります。
その場合、日本酒ではなく、樽の蓋を開くと中から色とりどりの紙吹雪がキラキラと飛び出してなかなか盛り上がる演出ですよ。


(司会者S)

天使の笑顔

1週間前には満開だった披露宴会場近くの桜<br>

1週間前には満開だった披露宴会場近くの桜

東北地方はこれから桜が見ごろを迎えますが、東京のソメイヨシノは盛りを過ぎてハラハラと桜吹雪となりましたね。
「花冷え」という言葉通り、ここ数日は気温も下がり肌寒い日が続いています。

今年も卒業式や入学式、入社式はところによって人数を制限したり、オンラインだったりとまだまだコロナ禍の様相が見受けられます。
どんな状況でも大切な節目であることに変わりはありません。
新入学生、新社会人の皆さんには希望を持って日々を過ごして頂きたいと願います。

さて、先日担当した披露宴では新郎新婦の間に可愛いお子さんがいらっしゃいました。
延期、延期のコロナ禍に誕生したそれはそれは可愛い女の子です。

披露宴の打合せの際には必ずベビーカーで参加するのですが、ぐずる事もなくとても良い子にしていました。
そして迎えたご披露宴当日。
素敵なドレスでおめかしをしたお子さんは新郎の大きな腕に抱かれて入場し、新郎新婦に負けないくらいのとびっきりの笑顔でゲストの視線を独り占めしていました。

およそ2年に及ぶこのコロナ禍では、ご披露宴開催を断念した方、延期された方、タイミングを見計らって何とか開催にこぎ着けた方と様々です。
また、その間にはご懐妊となって大きなお腹で式に臨む新婦、無事に出産を終えてお子さん共々式に臨む新郎新婦、お二人だけではなく、ご家族やご親族にも新たなメンバーが加わってとまさに時の流れというものをつくづく実感しました。

まだ小さなお子さんの記憶には残らないかもしれませんが、アクリルパネルが設置されたゲストテーブル、マスクをして席に座るゲストなど何年か時が経ってアルバムを見ながら、ご両親から懐かしくお話を聞かされる日が待ち遠しいですね。


(司会者S)

【番外編】春の数えかた

東京近郊のサクラの花が満開になり、思いきり春を感じる季節になりました。

ふと考えると、どうしてサクラは一斉に咲くのでしょうか?

そんな疑問に動物行動学者の日高敏隆(1930~2009)さんのエッセイ本、
「春の数えかた」が答えてくれます。

「季節がめぐってくると、その時々の花が咲き、チョウが舞い、鳥が歌う。
当たり前のことにも思うけれど、人はそこに大自然の力、自然のふしぎを感じないではいられない。
特に寒い冬が次第に遠のいていってついに春が来たときはなおさらである。
なぜ自然はこんなにうまくめぐっているのだろうか?
生物学者にとっては当然興味をそそられる問題だ。
今年は寒かったからサクラの開花はおくれたが、暖かい年には普段より早く花が咲く。
だから寒い、暖かいが開花の時期を決めているのは確かである。
けれどサクラは、冬の間からつぼみが膨らんでくる。
その時期にはまだ寒いから、つぼみのふくらみは暖かさによるものではない。
そもそも暖かくなってからつぼみをふくらませ始めたのでは間に合わない。
じつはサクラが花の芽を作るのは、前年の夏である。このときにもう、来年の花がつくられはじめているのである。
サクラの花は暑い夏に作られて、寒いときにふくらみ、暖かくなって開くのだ。その丹念な用意周到さ!
いずれにしろ、植物はちゃんと季節を知っている。
そして1年の決まった時期に花を咲かすよう、厳密なタイムスケジュールが組み込まれている。」

と書かれています。

「春の数えかた」とても素敵な題名での本です。

内容も植物や小さな生き物の興味深い話を動物行動学者の日高さんが
やさしく語ってくれる本です。好きな本の一冊です。



(N)

愛の消火活動

おめでたいダルマのウェディングケーキ<br> 新郎新婦が目を入れます<br>

おめでたいダルマのウェディングケーキ
 新郎新婦が目を入れます

東日本大震災から11年を迎えた11日から間もない昨日、福島・宮城で震度6強の地震が発生しました。
東京でも揺れを感じましたが、現地では停電や断水など混乱も大きかったようです。
ケガをされた方や建物の損壊等で影響を受けた方々が1日も早く回復される事をお祈りします。
そしてあらためて、日頃からの備えが大切である事も再認識できたのではないでしょうか。

さて、前回に引き続き、職業柄ならではの余興についてご紹介します。

それは消防士による余興「愛の消火活動」(タイトルは様々ですが、概ねこのような感じです)です。
披露宴会場で火災が発生し、要救助者が1名いるという事で消防隊が救助に向かうという設定です。

扉が開いて、防火服に身を包んだ隊員がホースを持って入場します。
要救助者(若い女性らしい)を探して会場内を練り歩き、大体は新郎や新婦の母親のテーブルに行ったり、新婦の友人のテーブルを廻ったりしながら最終的にメインテーブルの新郎新婦の元に辿り着きます。
隊員は新婦が大至急人工呼吸が必要な危険な状態だと判断し、新郎がその役目を負います。
大体一度では回復せず、何度かトライしてめでたく新婦が意識を取り戻し、「火事の炎は消せても二人の愛の炎は一生消えません」というオチがつきます。

ゲストにはもちろん大変喜ばれる楽しい余興ですが、会場の外で防火服を着た消防士が数名いるとたまたま通りかかったお客様が本当の火事と勘違いするという事もあるようですよ。


(司会者S)

寿アナウンス

日に日に春めいて来ました。
気温も高くなり、花粉症の方にとっては辛い季節となりますが、桜の蕾もこの暖かさで膨らんで早い所では3月20に過ぎ頃には開花が予想されているそうです。
それでも毎年のように、本格的な春を迎えるまでは「三寒四温」を繰り返し、寒暖差の多い日が続きますのでまだまだ体調管理に用心して過ごしたいものです。

さて、先日担当したご披露宴の新婦は航空会社のCA(キャビンアテンダント)、いわゆる客室乗務員をなさっていましたので、ご同僚の皆様が余興を披露してくださいました。
そうです、皆さんも一度は聞いた事があるあの「機内アナウンス」を基にした「寿アナウンス」と言われるものです。

この余興は何十年と受け継がれているいわば「伝統芸」とも言えるもので、新郎が「機長」、そして新婦が「チーフキャビンアテンダント」、飛行機は新郎の勤務先と新婦が勤務する航空会社の共同運航による特別チャーター便という設定です。
航空会社によって、内容は少しずつ違いますが、チーフキャビンアテンダントは結婚式より機長専属となり、結婚生活で訪れる様々な出来事を機内アナウンスに見立てて披露していきます。

数十年前はお給料も振込ではなく手渡しの会社もありましたので、「機内にお持ち込み頂けるものは厚みのあるお給料袋」なんていう表現もありましたが、先日のアナウンスでは「ケンカをした際にご機嫌を直してもらうためのお好みのバッグや宝石など重さや大きさに制限はございません」という表現に変わっていて、時代の流れを感じました。
大体10分ぐらいの内容ですが、制服を着た5~6名のCAさんが美しく並んでアナウンスする姿は、ゲストの皆さんがまるで飛行機に乗っているような気分になれる夢のある余興です。

このようなお仕事柄ならではの余興がもう一つあるのですが、それはまた次回ご紹介しますね。



(司会者S)

ご披露宴のお料理②

天井も高く、ゆったりした豪華な披露宴会場<br>

天井も高く、ゆったりした豪華な披露宴会場

今月も寒い日が続いていますが皆様お元気にお過ごしでしょうか。
間もなく3月を迎える頃となり、春も確実に近づいているようです。

国内のオミクロン株の感染状況は少しずつ落ち着いて来ているように見えますが、一方世界に目を向けると不穏な出来事も報道されています。
映像だけを見ているとまるで現実とは思えないように感じますが、日本にとっても様々な影響が少しずつ出ているとも言われています。
他国の出来事、と軽視せずニュースには耳を傾けていたいですね。

さて、今回は結婚披露宴の席で提供されるお料理についてお届けします。
やはりお目出度いお祝いの席ですから、何よりも「縁起が良い」という事を大切に食材を選びます。
主に日本料理の食材のお話になってしまいますが、姿形や言葉の響きから連想されるものもありますね。

先ずは「鯛」、これはもちろん「おめでたい」という言葉の響きから、という事はお分かりいただけると思います。

続いての「伊勢海老」、縁起の良さには3つのポイントがあります。
1つ目は、海老は茹でると鮮やかな赤色になりますね。
この赤という色には、邪気を祓う魔除けの力があるといわれています。
2つ目は、殻が鎧かぶとのように見えることから、力強さの象徴として。
最後に、海老の尻尾は常に曲がっています。
その様子を老人に見立てて、長寿を表すようになったとか。

その他「ハマグリ」は2枚の殻がぴたりと重なり、対になっているもの以外は合わないところから、「夫婦和合」の象徴として古来から親しまれています。
女性の美徳と貞節を意味するとして、ひな祭りなどでも食べられますね。

ご紹介した食材は日本料理以外でも様々にアレンジされてお祝いの席で皆様が美味しく召し上がっているものばかりです。
ゲストとして出席する機会がありましたら、思い出して頂ければ幸いです。


(司会者S)

ご披露宴のお料理①

今日はバレンタインデーでしたね。
1年に一度、気になっている男性に愛の告白の気持ちとして女性がチョコレートを贈る、という一大イベントですが、これは日本では毎年2月になると売り上げが落ち込む事に頭を抱えていたあるチョコレートメーカーが考えたアイディアが始まり、という説が有力です。

というと夢も希望も無い無粋なお話になってしまいますが、そもそも「バレンタイン」とはローマ皇帝の迫害下で殉教した聖・バレンタインの事を指していて、キリスト教圏では一般に恋人や家族など大切な人に贈り物をする事が習わしとなっているそうです。

さて、披露宴に招待されて何が一番楽しみかというと、殆どの方は「お料理」(自分調べ)と答えます。
新郎新婦はもちろん、親後様にとってもゲストに美味しいお料理を食べて頂きたいという想いはありますからどんなお料理を選ぶかも大切なポイントになってきます。

今はフルコースのお料理が供されるのは当たり前ですが、はっきりとは覚えていないのですが30~40年前にはその場で食べるものと、お持ち帰りが前提となっているものがありました。
例えばお椀や茶碗蒸しといった温かいメニューはその場で頂いて、「尾頭付き鯛の塩焼き」や「お赤飯」などはそのままお重箱や折に詰めて持ち帰る事が殆どでした。
また、現在のような「カタログギフト」もまだ登場していませんでしたので、お引き出物も大きくて重たいものが多かったようです。

そんな結婚披露宴という晴れやかな席に登場するお料理ですが、使われている食材それぞれに意味のあるものがメニューとして考えられています。

次回は婚礼料理についてご紹介していきますのでお楽しみに!



(司会者S)